一　産地状況
中国のドロマイトの主な生産地は次のとおり、安徽省、山東省、遼寧省であります。現在安徽省は中国でドロマイト埋蔵量最多、採掘規模最大、産業に関する施設の最も完備な供給産地であります。中国大手鉄鋼メーカー（宝武グループ、沙鋼グループなど）は、既に安徽省で投資開発或いは既存の鉱山と緊密なパートナー関係を築いていて、そして日本市場の主要な供給拠点でもあります。山東省と遼寧省の鉱山の数は比較的少なく、現在採掘されているドロマイトのほとんど周辺の鉄鋼メーカーに供給されています。

二　各産地の詳細
1. 安徽省：中国でドロマイト埋蔵量最多、採掘規模最大であり、供給先は主に中国の建設メーカー、鉄鋼メーカーおよびガラスメーカーであります。年間の生産量は約1,900万トンであり、そのうち国内販売量は約1860万トン、日本への輸出量は約40万トンであります。
2. 山東省：ドロマイト鉱山一つしかありません。年間生産量は約100万トンで、すべて中国の国内鉄鋼メーカーに供給されています。
3. 遼寧省：ドロマイト鉱山は採掘を開始したばかりの鉱山であり、ドロマイト年間目標の生産量は約200万トンであります。現在、主に中国国内の鉄鋼メーカーに供給されておりますが、製品サイズが単一のため、ユーザーさまざまなニーズに対応することはできません。

三　各生産拠点における生産環境と輸送条件
1. 安徽省：ドロマイト鉱山は主に池州地域に集中しています。この地域は長江の南に位置し、亜熱帯モンスーン気候であり、年間を通じて極端な天候の影響をあまりに受けません。鉱山の採掘は比較的安定しています。この地域は長江からわずか40kmの距離であり、船の輸送条件は非常に便利であります。
2. 山東省：山東省のドロマイト鉱山は日照市の莒県にあり、最寄りの日照港から約100 km離れており、輸送条件は限られています。
3.遼寧省：遼寧省のドロマイト鉱山は、大連の金浦新区にあり、最寄りの港から約50キロ離れています。鉱山は地理位置の影響を受け、冬の採掘や船の輸送に大きな影響を与える可能性があります。

四　各産地のメリットとデメリット
1.安徽省：
⑴メリット：安徽省は現在、中国最大のドロマイト埋蔵量、最大の採掘規模、および産業関わる施設の最も完備な産地であります。生産されるドロマイトの品質は安定しており、さまざまなサイズが生産可能であり、中国国内および海外の鉄鋼メーカーのニーズに対応可能であります。そして、安徽省は中国国内ドロマイト産地の中で中央環境保護政策最も実施されていて、供給の安定性は他の産地よりも安定であります。
⑵デメリット：地理的な優勢と交通の便利さにより、周辺地域やさらに遠いところのユーザーがこのエリアからドロマイトを購入しています。特別な時期によって供給不足の場合がありますので、価格変動することも招きます。また、近年この地域の急速に発展とともに、全体的にコストも上昇しつつ、他の産地より価格がやや高くなっています。
2.山東省：現在生産されたドロマイトはすべて国内の鉄鋼メーカーに販売されており、輸出されていません。
3.遼寧省：
⑴メリット：遼寧省は現在、中国の国内経済で最も発展遅く地域であるため、ドロマイトの価格は現時点には価格の面で競争力があります。同時に、ドロマイト鉱山の開発期間は比較的短いため、将来のユーザーニーズに対応する柔軟性の利点があります。
⑵デメリット：供給量の不安定は現在最大のデメリットであります。この生産地域の鉱山数は一つしかないため、迅速に中国国内環境保護政策に対応することは難しいであります。そして、生産地域の気象条件にも影響を受けやすく、特に冬の時鉱山の採掘と輸送を保証することは困難であります。